就労移行支援(就職に向けた訓練を提供する障害福祉サービス)のうち、通所を挟まず完全に在宅で完結できる事業所は、当サイトの収録データの集計(2026年8月時点)で36か所あります。このうち33拠点を運営するのが「manaby」という単一ブランドです。残る3事業所はそれぞれ独立した運営主体です。完全在宅という選択肢の9割超が、実質的に1つのブランドに集中している構造になっています。本記事では36か所の内訳と、この集中が意味することを整理します。
36か所の内訳
在宅訓練に対応する事業所は465か所、そのうち通所を介さず在宅のまま働ける在宅可の事業所は429か所です。さらに、訓練から就職後の定着支援まで通所を挟まず完全に在宅で完結する事業所は36か所に絞られます。429か所には、訓練は通所で行い就職後の在宅勤務にのみ対応する事業所も含まれます。36か所は、そのうち訓練の段階から通所を伴わない事業所です。
この36か所のうち33拠点を運営するのが、manabyというブランドです。全国に展開する拠点が、同じ枠組みのもとで完全在宅の訓練・支援を提供しています。残る3事業所は、それぞれ独立した事業所が運営しています。千葉県のテレワーカーズ柏、神奈川県のペガサス平塚センター、大分県の就労移行支援TRAINEEです。3つの事業所は運営主体も所在地も異なり、manabyのような全国展開のブランドには属していません。ただし、いずれも完全在宅対応のため、実際の支援は在宅で完結します。事業所の所在地が千葉県・神奈川県・大分県であっても、居住地がこれらの県と異なる場合でも利用を検討できる位置づけです。
1ブランド集中が意味すること
完全在宅対応36か所の9割超を1ブランドが占める背景には、完全在宅型の運営が抱える構造上の条件があります。通所前提の事業所と異なり、完全在宅の就労移行支援は、訓練・就職活動の支援・就職後の定着支援までの全工程を、対面に頼らず在宅で完結させる仕組みを必要とします。この仕組みを整えるには、通信環境の整備や在宅向けカリキュラムの設計、支援員の在宅対応体制など、通所型には無い準備が必要です。
manabyは、この仕組みを全国33拠点という規模で展開しています。一方、テレワーカーズ柏・ペガサス平塚センター・就労移行支援TRAINEEの3事業所は、それぞれの事業所が独自に仕組みを構築し、完全在宅対応を実現しています。全国展開のブランドと、単独で仕組みを整えた事業所という、成り立ちの異なる2種類が、同じ「完全在宅対応」という枠に並ぶ構造です。
完全在宅型の運営に必要な要素
完全在宅対応を維持するには、複数の要素を同時に整える必要があります。
- 訓練カリキュラムを対面なしで提供する仕組み
- 就職活動の支援を在宅から行う体制
- 就職後の定着支援を訪問や通所に頼らず行う体制
- 拠点や事業所ごとに支援の質を揃える運営基盤
manabyが33拠点でこの要素を維持できているのは、全国共通の枠組みを整えているためです。単独3事業所は、拠点をまたぐ枠組みを持たない分、自事業所の中でこれらの要素を独自に組み立てています。
選ぶ側の視点
完全在宅対応の事業所を探すとき、ブランドで選ぶか単独の事業所で選ぶかによって、比較の軸が変わります。
manabyのように運営主体が1つに集約されている場合、拠点間で支援内容や運営方針が標準化されやすくなります。単独で運営する事業所は、その地域の実情や独自のノウハウを反映しやすい一方、拠点数は限られます。
manabyの拠点を選ぶ場合は、全国どの拠点でも同じ枠組みに基づいた在宅対応を受けられる点が比較の軸になります。拠点数が多い分、居住地を問わず候補に入りやすくなります。一方、テレワーカーズ柏・ペガサス平塚センター・就労移行支援TRAINEEのような単独の事業所を選ぶ場合は、その地域や事業所独自の方針・カリキュラムが比較の軸です。どちらの成り立ちが優れているかは、本記事では判断しません。運営規模と運営方針のどちらを重視するかは、利用者側の希望によって変わります。
在宅可429か所・在宅訓練対応465か所という母数と比べると、完全在宅対応36か所という選択肢自体が絞られた枠であることも、選ぶ際の前提として押さえておく点です。
比較する際に整理しておく点
完全在宅対応の事業所を比較する際は、次の点を整理しておくと判断しやすくなります。
- 運営主体がブランドか単独の事業所か
- 拠点や事業所の数
- 独自の方針や地域に根ざした運営の有無
- 3事業所の所在県と自分の居住地との関係
完全在宅対応の事業所であっても、受け入れ状況や利用条件は事業所ごとに変わることがあります。manaby・テレワーカーズ柏・ペガサス平塚センター・就労移行支援TRAINEEを含め、最新の受け入れ状況・利用条件・支援内容は、必ず各事業所の公式サイトや自治体の窓口で確認してください。