在宅勤務で減るのは通勤時間だけではありません。総務省の令和3年社会生活基本調査によれば、通勤や通学をしている人の通勤時間は、平日1日当たりの往復で全国平均79分、年間では316時間です。在宅勤務では、これに加えてスーツ代・クリーニング代・昼食代・身支度の時間という費用の差も生まれるため、本記事ではそれぞれを「仮に〜とすると」という条件つきの試算で年間換算します。数字はすべて仮定に基づく試算値であり、実測の統計ではありません。
衣類・クリーニング
スーツにかかる費用は、出社の機会が減るほど小さくなります。仮に1着30,000円のスーツを年2着購入すると、30,000円×2着で年間の費用は60,000円です。
クリーニング代も、出社頻度に応じて変わる費目です。仮に1回800円のクリーニングを月2回利用すると、800円×月2回×12か月で年間の費用は19,200円になります。
どちらも、通勤や対面の商談といった出社の機会に紐づく支出です。在宅勤務が中心になれば、買い替えやクリーニングの頻度をこれまでと同じに保つ必要はありません。
昼食
昼食も、在宅か通勤かで金額が変わりやすい費目です。通勤中は昼休みの時間が限られやすく、外食や購入した弁当で済ませる機会が増えます。
仮に外食の昼食を800円、自炊した場合を300円とし、その差額500円が月20日発生すると、差額500円×月20日×12か月で年間の差額は120,000円になります。
外食を毎日していた人と、もともと自炊が中心だった人とでは、実際に生まれる差額の大きさは変わります。自炊の頻度は人によって差があるため、この数字は仮定を置いた試算として読んでください。在宅勤務であれば、昼休みの時間そのものにも余裕が生まれます。
身支度の時間
身支度は費用ではなく、時間の面で差が出る項目です。着替えやアイロンがけ、髪を整える時間などが含まれます。
仮に身支度にかかる時間を1日30分とし、年間の出社日数を240日とすると、年間では120時間になります。
この時間は、金額には表れません。身支度に充てていた時間は、訓練や体調管理、家庭の用事など、他の使い道に回せる余地が生まれます。在宅勤務でもカメラに映る範囲の身だしなみは必要ですが、外出前提の身支度ほどの時間はかかりません。
試算の前提
スーツ代・クリーニング代・昼食の差額・身支度の時間は、以下の仮定を置いた試算です。実測の統計値ではないため、自分の状況に置き換えて計算し直してください。
- スーツ代:1着30,000円 × 年2着
- クリーニング代:1回800円 × 月2回
- 昼食の差額:外食800円と自炊300円の差500円 × 月20日
- 身支度の時間:1日30分 × 年240日
スーツ・クリーニング・昼食の3つの費用は毎年繰り返しかかり、身支度の時間も出社日数の分だけ毎年積み重なります。求人を比較する際は、賃金や通勤時間だけでなく、こうした費用や時間の違いも判断材料になります。
購入頻度や単価、自炊の割合は人によって異なります。在宅勤務になっても、オンライン会議のためのスーツが一切不要になるとは限りません。上の式に自分の数字を当てはめれば、在宅勤務でどれだけの費用や時間が変わるかを、自分の条件で確認できます。
在宅勤務にかかる費用や時間の感覚は、事業所や個人の働き方によって差があります。最新の受け入れ状況・利用条件・支援内容は、必ず各事業所の公式サイトや自治体の窓口で確認してください。